傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「つーちゃん、完全復帰おめでと〜!」

「わっ!」



いつものようにお昼休み。

屋上の扉を開けると、大きな声と共にクラッカーの音が響いた。



「ありがとう……!」



嬉しい……!



「百瀬先輩、もう腕は大丈夫なんですか?」



あの涼くんまで心配してくれて、涙が出てきそう。



「うんっ! 大丈夫! 完全復帰だよ!」

「だって結構ポッキリいったんですよね?1ヶ月半で治すとかバケモンですか」

「ひどい〜! 私これでも元気なのが取り柄なんだよ〜!」



そう涼くんと言い合っていると。

後ろから誰かに抱きしめられた。

私にこんなことをするのは1人しかいない。



「涼、お前話すな」

「えっ、は?」



思っていた通り、士綺くんだった。



「士綺くん! 心配してくれてるんだよ? そんなの失礼だよ!」

「わ、悪い……」