士綺くんは私をベッドに下ろして、部屋から出て行ってしまった。

えぇ……。士綺くん、浮かれてない……?



「暖かい……」



ベッドの上にあった毛布はとても暖かい。

士綺くんに感謝だなぁ……。

それより……。

本当に、付き合うことになったんだ……。

あんなに望んでいたこと……叶ったんだ。

嬉しくてしょうがない。



「そういえば……」



あの時、私のことを拒んだ理由。それを聞いてなかった。

でも嫌いじゃないと言ってたから……私のことを考えてのことだと思う。

士綺くん、悪い人じゃないし……!

あとは、傷を完治させることだけ。

痛むけど、士綺くんと付き合えた嬉しさが勝って、喜びしかない。

また、鬼龍のみんなでいつもみたいに過ごしたいな……!