傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「……分かったからそんな顔しないでくれ。でも、これも必要なことだ」

「……絶対に、怪我しないでね」

「ああ。約束する」



士綺くんは、強い。

いじめっ子を殴ったこともあって……。

本当に、悪いな……。



「じゃあ僕ら帰ろっか〜」

「え? もう……?」



寂しいな……。



「なんや椿月! また学校で会おうや! あ、その身体じゃ行けんな。毎日お見舞い来るから安心しぃ!」

「ありがとう。結蘭ちゃん!」



結蘭ちゃんに手を振ると、結蘭ちゃんたちは出て行った。

その瞬間、フワリと浮遊感に落ちる。

それは、士綺くんが抱き上げたせいだった。



「士綺くん!? 何して」

「部屋移動するだろ? そんな身体じゃまともに歩けないだろ」

「そんなことないよ……。っ!?」

「椿月!?」