傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

今、なんと言いました?

“婚約者”……とか聞こえた気が……?



「どうした?」

「いや! 何言ってるの!? 婚約者って、ただの恋人じゃ……」



自分で言って恥ずかしくなった。

でもその恥ずかしさを感じた士綺くんは意地悪な顔をして……。



「椿月が言ってくれるのはいいな」

「話逸らさないで! 婚約者って何!?」

「俺の恋人なんだから婚約者だろ」

「な、何そのひねくれた考え!」

「ん? 今度親にも話すが」

「話す!? ご両親に!?」



士綺くん、たまに天然あるよね……。

昔は学校で、“クール”、“冷徹の王子”とか言われてたけど、私の前ではそんなことないし。



「まあ、それはその時。部屋も移動しよう」

「え? ここでいいよ。ただでさえ養ってもらうのに」



よくよく考えれば、家も出れないんじゃ……。

だって私はまだ18歳。親との縁も切り離せない。



「士綺くん、私家どうすればいいの?」



こういう時は士綺くんに頼ろう。