傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「椿月、大丈夫だ」

「し、士綺、くん……っ」



士綺くんが優しく抱きしめてくれた。

あの、温かい腕で。



「俺は親父の仕事を手伝ってきて、恨みも相当買ってる。だから普通の病院に入院させたら、いつ白龍か恨みの持った奴が襲ってくるか分からない」

「……もう、大丈夫、なの?」

「……」



どうして、黙るの……?

憐夜くんたちも、表情を曇らせた。



「椿月」

「え……?」



いつものように、優しい春風のような声。

でも今は……覚悟を含んだようだった。



「椿月を───姫から解任する」

「っ、え……?」



空耳だと、思いたかった。

でも、そう思わせてくれないのが現実だった。



「どうして……?」



私の声は、風が吹けば飛ばされるような声で。

士綺くんたちは、顔を歪めていて。



「椿月が姫である以上、今回のような輩に狙われる。だから、鬼龍から離れるんだ」

「───っ」