……士綺、くん。

士綺くんと仲良さそうに手を繋いで撮ってある写真。

昔、士綺くんとはよく写真を撮って、データで残してた。

士綺くんとの写真は100枚近くあって、何かを消さなきゃと思った。

でも……消したい写真なんてない。

そう思いながら見返していると、涙が頬を伝ってた。



「ッ……なんで……」



私が泣く資格なんて……ないのに。

無理。消せない。

消せるわけ、ない。

これしか、残ってる思い出がない。



「……っう、あぁ……」



『もう関わんな』


忘れなきゃ、いけないのに……。

消せない……。



「やっぱり、嫌われちゃったのかな……」



そんな独り言が、小さな部屋に響いた。