「……ん」

「椿月!?」



───ガンッ!!



広がる視界。何かが落ちた音。



「椿月!? 分かるか!?」

「……しき、く、ん」



視界に映った士綺くん。

……あ、れ……?

無意識にムクリと体を起こすと。



「いっ……!?」



お腹、腕、頭とほぼ全身に痛みが走った。



「〜……っ!?」

「椿月ダメだ! 起きるな!」

「わ、分かった……」



何が起きてるのかは分からないけど、とにかく痛みがすごい。

痛みのせいで体が倒れる。

寝ていたのは知らないベッドだった。



「士綺くん、ここどこ……? というか、私いったい……」



そこまで言って思い出した。

そうだ……私……。

とにかく一番痛い右腕を見ると、痛々しくギプスが巻かれていた。