傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

んな事、一言も言ってねぇよ。



「蓮乃の性格、知ってるでしょ? 士綺クンを手に入れるためならなんでする。つーちゃんに被害が出たらどーすんの」

「……殺すに決まってんだろ」

「わお。まさか警察庁長官の息子からそんな言葉が出るなんて」

「黙れ」

「とにかく、白龍の件は鬼龍でも調べよう。“裏切り”も忘れるか」

「……勝手にしろ」



椿月に被害が出る?

んな事、考えたくもねぇ。


───プルルルルル、プルルルルルル。


誰かのスマホが鳴った。



「俺だ。……結蘭?」



玲音の従妹かららしい。

玲音が電話をし始めたかと思ったら。



「っ、どういうことだ?」



息を呑んだ玲音。

ッチ、今度はなんだ。



「玲音クン、スピーカーにして」

「っ、ああ」