他の鬼龍の人たちが男の人、女子たちを押さえつけ、憐夜くんたちが駆け寄ってきた。

どう、して……。



「……なん、で……」

「そんなのあとでしょ!? 何この傷! 頭から血出てる!! しかも頬も切れてるし!!」

「……無様な姿で、ごめん、ね……」



体は痙攣したままで、手が震える。



「何がごめんねなの!? 謝るのは易々とついて行ったことでしょ!? 相手が女でもね!!」

「ごめ、ん……」

「手は?……っ!!」



腕を見て、憐夜くんが息を呑んだ。

私も震える体で腕を見ると、青より青で、野球ボール1つ分くらいには腫れてる。



「椿月!? これ……ッ!!」

「……金属バットで、やられ、て……」



そう言うと、たたでさえ殺意のこもった目をしていた士綺くんが、もっと殺意のこもった目をした。



「なんやこれ!! ふざけんな!!」

「百瀬、大丈夫か?」



結蘭ちゃんと玲音くんが顔を真っ青にさせて心配してくれた。



「百瀬先輩、早く病院に行ってください!! しかも声震えてるじゃないですか! しかも体も。脳震盪起こしてますよ!!」

「……さっきからね……眠く、て……」



涼くんは誰よりも冷静だった。

あと、眠気どころじゃない。

意識朦朧って、こういうことを言うんだ。



「椿月!!」

「士綺、くん……ありが、と……」

「椿月!?」



身体から一気に力が抜けて、意識も抜けた。