傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「あー。行っちゃう」

「何言ってんだ。バレたら殺されるだろ」

「それはそれ。まあこの旧校舎にいるなんて思ってもないだろうけど」



っ、士綺くん……!

このままじゃ……行っちゃう!

そう思い、私は意を決して叫ぼうと思った、時。



「椿月ぃ!!!」

「「「っ、きゃぁぁ!?」」」

「グアッ……!!」

「……ぇ」



目の前に、士綺くんが、いた。

男の人は倒されて、女子たちは悲鳴を上げている。

何が、起こって……。



「士綺、くん……?」

「っ、椿月!! 大丈夫か!? てめぇら、殺られる覚悟はあるんだろうなぁぁ!?」

「「「ヒィッ……!!」」」



見たことのない激昂。

その激しい視線に、女子たちは腰を抜かしていた。



「やっぱり!!」

「……ぇ?」