傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「椿月!! 椿月どこだ!!」

「つーちゃん!! 返事して!」

「百瀬先輩!」

「百瀬!」



あの玲音くんと涼くんでさえ、大きな声を出して探してくれていた。

どうして、ここが分かって……。



「椿月!! どこや!!」



───結蘭、ちゃん?

……まさか、結蘭ちゃんが、呼んできたの?

私がいないの、気づいて……。



「ッチ……! おい! どうすんだ!!」



男の人たちも状況が分かったのか、焦り始めた。



「きゃー! 鬼龍の人たち!」



男の人たちとは違って、女子たちは焦ってるのが半数、喜んでるのが半数だった。

でも、その声は聞こえないらしく。



「ねぇ! 他には!?」

「分からへん! もしかしたら倉庫とか!?」

「行くよ!!」



結蘭ちゃん、憐夜くんが行こうとしていた。

やだ……行かないで……!

でも、それを安堵していた人もいる。