傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

もう立ってる気力もなくて、滑るように脚から崩れた。

そして、その崩れた私の髪の毛を鷲掴みにしてきた。



「うわ、美人な顔が台無しじゃーん。ま、治してから俺らと遊んでな〜」

「い、や……っ」



震える身体で、必死に抵抗した。

ただ必死に。


───助け、て……っ!誰か……。



「椿月!! 椿月どこだ!!」

「……ぇ」



自嘲した。

ついに士綺くんの幻聴まで聴こえるなんて。



「は? なんで? 今日は鬼龍いないって」

「ヤバくね? アタシら見られてるからすぐ見つかるんじゃ……」



でも、そうじゃなかった。

───士綺くん……!

旧校舎の敷地内から聞こえる。

屋上の下から。

倒れた体をフェンスに向ける。

すると、必死に探してくれてる士綺くん、憐夜くんたちの姿が。

みん、な……っ。

しかも、結翔さんもそれ以外にも5人いた。