傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「……しき、く、ん……」

「っ、アンタごときが士綺様の名前呼んでんじゃねぇよ!!」



───バシッ。


今度は、頬を思い切り叩かれる。



「おいおい。傷つけたら売る時売り物になんねーだろ」

「知らないわよ。そもそも久瀬様に言われたことだし」

「っ、く、ぜ……?」



───どうして。

あの時の言っていた言葉が、頭の中で繰り返される。


『俺に喧嘩売った事、後悔すんなよ』


……そういう、こと。

この人たちは、久瀬くんに命令されたんだ。

私を、傷つけるようにって。



「アンタが喧嘩売らなきゃこうはならなかったのにね〜。ホント頭ない」

「……それは、あなたたち、よ……っ」

「……はぁ?」



言ったんだ、この口で。


『後悔なんてしない。私はもう、あの時の弱い私じゃない』


それは、今も。