傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「調子乗んなよゴミが!!」

「っ……!」



その言葉に、私は唐突に理解した。

士綺くんたちのことだと。

そして、後悔もした。

教室には、先生もいた。

先生に、頼ればよかった。



「ちょっと垢抜けたからって調子乗りやがって!!」

「垢、抜けた……?」

「っ〜……!!」



疑問を口にしたのが、余計に刺激してしまってようで。


───ガンッ……!!


そう、鈍い音が響いた。

……頭から頬に向けて、殴られた。

頭からは、生暖かい液体を感じる。



「うっ……ぁぁっ……」



しかも何か水筒で殴られたのか、脳震盪のようなものが起きて、クラクラする。



「ッチ、調子乗りやがって。鬼龍の姫とか嘘でしょ。こんな弱い女」

「なんで憐夜様たちに気に入られるのよ……!」

「しかも士綺様とも仲良くしてるって……!」

「いっ、は、ぁっ……!」