「だから、先に決めつけるんじゃなくて、士綺クンに一回聞いてみよ? それでもつーちゃんのこと嫌いなんて言ったら、ぶちのめすから」

「う、うんっ……!」



士綺くんに、聞いてみよう。

それで───



「───告白、するっ……!」



14年分、しっかり伝えなきゃ。



「うん。僕も、全力で応援するよ」

「ありがとう……!」



───その日。



「椿月? どうした?」

「こ、これっ!」

「……キーリング?」

「うんっ。私、スマホケースに付けるから、お揃いにしよっ?」

「ああ。分かった」



帰り道、キーリングを渡した。

後ろでまだ音が鳴る花火は、まるで私の心のように鮮やかな色で彩られていた。