傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

士綺くんが殴る素振りを見せた。

憐夜くんは謝りながら飄々としていた。



「ほら、憐夜さんたち。百瀬先輩困ってますよ。早く場所取り行きましょう」



仲介に涼くんが入ってきてくれたおかげで、士綺くんは憐夜くんから視線を逸らした。

涼くんは救世主だ……!



「あ、あそこいいんじゃない?」



ちょうど視線をずらしたところが運良く空いていた。



「うんいいね〜! じゃああそこに座ろ〜!」



憐夜くんから順に端っこから座る。

5人ちょうど座れて、しかも花火もよく見える場所。



「あ、花火見ながら綿あめでも食べよ! 僕買ってくる〜!」

「えっ、綿あめ!?」



綿あめ……そういえば食べてなかった!

憐夜くんが立ち上がったと同時に立ち上がった私。

そして、それを見て士綺くんは笑った。



「どれだけ甘いもん好きなんだよ」

「あ、ごめんごめん……。そういえば、玲音くんも甘いもの食べてたよね?」