【side憐夜】
「ねぇ、どういうこと?」
睨んでいるのは、急に来た第二特攻部隊の結翔。
結翔が言ったことが信じられない。
「てめぇ、どういうことだ」
士綺クンもお怒りで、涼クン、玲音クンでさえ睨んでいる。
「見張りが、目を離した隙に、逃げ出した、ようで……!」
「はぁ? そんなの逃げられるわけないでしょ。鎖に繋いでんだから」
それは、久瀬日向が逃げ出したという事実だった。
「実は、見張ってた奴らもいないんです。多分共犯かと……」
「はぁ? つまり久瀬日向の味方で、しかも久瀬日向はそれだけの権力持ちってこと?」
もし他の族に入っていたとしても、相手チームに侵入してまで助け出す必要がない。
「分かりません。ただ、情報処理部隊でも行方が分からず、玲音さんに伝えに来ました」
情報処理部隊。玲音クンのようにハッカー能力がある奴がいる部隊。
まあ、隊長はもちろん玲音クンだけど。
「じゃあ玲音クン、よろしくね〜」
「……ああ」