「や、やめて……っ」

「何? また“あの時”みたいに騒いだら、───殺すぞ」

「っ……!!」



殺す。その言葉は、彼にとってはお遊びじゃない。



「鬼龍のお姫様になって調子乗って。お前があの時俺の事見て騒いだせいで、俺災難な目に遭ったんだけど」

「……そ、んな」

「何? 昔からムカつく。でも、痛がってる時だけはいい声だすよねぇ」

「や、やめて……っ」



どうして……そんなに執念深いの。

どうして、追ってくるの。



「俺にとったらただのオモチャでしかねぇんだよ。痛がってる姿、見せろ」

「や、やだ……っ」



───昔から、そうだった。

私が痛がって、苦しんでるところを見て楽しんで。

何が楽しいのか分からない。

どうしてそう深く執着するのかわからない。

でも、

───今の幸せを、壊したくない。