傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

『え〜。制裁、加えなくていいの〜?』

『いいよっ! そんなことしなくて! 早く屋台回ろうよ』



私がそう言えば、憐夜くんは興が削がれたように離れた。



『じゃあ今日は鬼龍が奢ってあげる!』

『え?』



急に憐夜くんが叫んだ。



『迷惑かけちゃったし〜? 今日は鬼龍の奢りで! ね、涼クン!』

『……まあ俺の下の奴がやったことなんで。でも総長の士綺さんは?』



涼くんが男の人たちを凄みながら、士綺くんに視線を移した。



『俺はなんでもいい』



士綺くんは『興味無い』と言わんばかりに、顔を背けた。



『わ、私は別に……』



それでこの人たちが怒られなくて済むならと、了承した。



『じゃあ決定〜! 僕らもたくさん食べよー!』

『憐夜さん、それが目的なんじゃないですか』

『涼クン? 全部キミの奢りにするよ?』

『勘弁してください』