傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

『だ、誰ですか……?』

『えっ、マジ可愛いじゃん! なあ、俺らと遊ぼうぜ〜!』

『えっ? ちょっ、離してください……!』



急に腕を掴んできて引っ張ってきた。

その手が、“あの光景”に重なった。



『や、やめて……!!』

『声もかわいーじゃん。なあなぁ、1人で何してんの〜? まさかフラれたのか〜?』

『ち、違います……!!』



全然言ってることを聞いてくれなくて、どんどん引っ張られて行く。



『嫌……!!』



そう叫んだ瞬間。


───ガシッ。


え……。

反対の手を掴まれた。



『てめぇら、何してんだ』



そこにいたのは、心から助けてほしかった士綺くんだった。

話してるのに……と不思議に思う以上に、不思議なことがあった。

それは、手を掴んできた男の人たちの反応だった。