「士綺くん士綺くん! 見て! 金魚!」
「見てるって。金魚すくいするか?」
「ううん。私すくっても育ててあげられないから……。でも、将来は犬を飼うのが夢っ!」
「……っ」
「士綺くん?」
まただ。
今日何度かたまに顔を赤くして目を逸らすことが士綺くんだけじゃなく、憐夜くん、玲音くん、涼くんもあった。
私、何かしたかな……? とずっと思っていた。
それより……と、さっきのことを思い出した。
『僕と付き合わない?』
きゅ、急に憐夜くんに告白(?)をされて……。
じょ、冗談でも結構真剣な顔だった……。
「つーちゃーん! たこ焼き食べる〜?」
「たこ焼き?」
憐夜くんに呼ばれ、ベンチまで歩く。
憐夜くんは手を振り、片手にたこ焼きを持っていた。
「これこれ〜! 美味しいよ〜! 今回は鬼龍の奢りだから! いっぱいお食べ〜」
「や、やっぱり、なぁ……」
なんで奢りなんてなっているのかというと、それは10分前のことだった。