傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

「憐夜くん、ごめんね。私、付き合えない」

「……椿月？」



椿月は断った。

その事実に驚いた。

椿月は昔からよく告白されていた。

でも何かしら理由を付けて断っていた。

それも、こんなハッキリじゃなく。



「……僕の何がダメ？」



憐夜はフラれたにも関わらず、まだ攻める。



「わ、私、憐夜くんのことは“友達として”大好きだよ。でも、恋愛感情とかでは……」

「分かった。じゃあ僕が“男”になればいいんだね？」

「えっ、そ、そのっ……！」



いつもとは違う憐夜の行動に、椿月は真っ赤。



「おい憐夜」

「なーんってねっ！」

「……へ？」



急に“戻った”憐夜に、椿月は戸惑いを隠しきれない様子だった。



「確かに驚いたけど〜。士綺クンの……うっ」

「それ以上言うな」



俺は憐夜の口を塞いだ。