「いや……。ほら、1週間くらい前に結蘭ちゃん委員会あったでしょ? そのとき屋上に来て捕まってしまいまして……」



すると、憐夜くんは目を逸らして口笛を吹き始めた。

し、白々しいっ!



「いや〜……。つーちゃんのこと気に入っちゃったんだもーん」

「『もーん』じゃないよ! あの時どれだけ怖かったか……!」



そう文句を言うと、憐夜くんは白々しく涼くんの後ろに隠れた。



「ちょっと憐夜さん。No.2でもあろう人が何怯えてるんですか」

「僕は悪くないもん! だいたい士綺クンが認めたからじゃん! 士綺クンが悪い!」

「士綺? 士綺って誰や」



結蘭ちゃんは士綺くんのことを知らない。



「ん? 士綺クンは我が鬼龍の総長様だよ〜?」

「はぁ? なんでその総長様はおらんねん」

「士綺クンは来てるっちゃあ来てるよ? でもどっかに消えちゃった〜」

「士綺くんって気まぐれだからなぁ」