「つーちゃぁぁぁん!!」

「……あ」



廊下から聞こえた大声。

みんなは“つーちゃん”が誰のことが分かってるから、その声が聞こえた瞬間に私を見る。

未だに私を睨む女子がいて……。



「……ッチ」



特にリーダー格の女子は怖い。

憐夜くんが牽制してくれたから実害はないものの、何かされるんじゃないかと怯えている。



「つーちゃん! いたいた!」

「えっ、なんや?」



教室にズンズンと入ってきた憐夜くんたちに驚いている結蘭ちゃん。

後ろには当たり前のことながら玲音くんに涼くんも。



「なんや、ぞろぞろと……はっ!?」

「ど、どうしたの?結蘭ちゃん」



結蘭ちゃんが大きな声を上げたと思うと、玲音くんを指差して言った。



「玲音やん!!」

「……へ?」



『玲音やん!』?

なんで玲音くんを知ってるの……?

だって、結蘭ちゃんは私が姫になった時、学校には来てなくて……。