「玲音くん、玲音くんも一緒に行こう?」

「……俺はなんでもいい」



玲音くん、どっちだろう……?

嫌なのに無理やり連れて行くのも悪いし……。



「……士綺」



見つめる視線に気づいたのか、士綺くんに助けを求めた玲音くん。



「ご、ごめん……! 圧をかけるつもりじゃなかったんだけど……。行きたくないのにごめん。もう誘わないよ」



お祭りを行ったのは指で数えるくらいしかない。

だから、みんなで行きたかったんだけど……。



「玲音クンよ。大切なお姫様が悲しんでるのに行かない選択肢なんかあるのかね?」

「れ、憐夜くん……?」



急に憐夜くんが玲音くんの肩に手を置き、玲音くんの耳に話しかけた。

何を話してるかあまり聞き取れなかったけど、玲音くんが嫌そうな顔になっていった。



「……分かった。行けばいいんだろ。とりあえずどけろ。息かかってキモイ」

「えっ……!?」



本当にいいの……!?

玲音くん、嫌そうだったのに……。



「え〜。キモイは酷くない〜?」

「吐息かかってキモイ」



い、いいのかな……?



「まあ、別にいい」

「本当にいいの?玲音くん」

「別にいーよ」

「やったぁ!」



玲音くん、士綺くんと同じくらい優しいっ。