「え、ぇえ！？ じゃあ騙してたって事すか？」

「違う違う。玲音クン、話していいか迷ってたんでしょ？」



一見士綺クンに次いで玲音クンが怖がられるけど……玲音クンは一番鬼龍の中で優しい。

つまり……つーちゃんを、百瀬椿月を庇ったんだ。



「……いつから分かってた」

「んー？ 聞いた時。さすがにあんな頭悪い奴のロックに引っかかるほど玲音クンの実力は低くない。ましてや士綺クンに鍛えられたんだもん」

「……別にちゃんと話したんだからいいだろ」

「んー。結果的にはいいけど、なんで迷ったか理由を聞きたいんだよね〜」



玲音クンは士綺クンから命令されたらなんでもする。命の恩人だから。

でも、士綺クンの命令で迷った。



「……初めて同情したからな」



やっと開いた口から出た理由。

ま、そんなことだと思ってた。

いじめられて、しかもそれを勝手に知られるんだ。

玲音クンは“汚れてない”もんね。



「そんなとこか〜。ま、さすがに士綺クンには言わないよ〜。僕が言ってシメられるだけだもん。しかもあのイチャイチャを邪魔する訳にもいかないしね〜」



そろそろ付き合わないかな〜。なんて。