傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

野放し……? なんのこと?



「俺は許してねぇ」

「分かってるよ。僕だってさすがに許せない。でも、ね〜」

「……えっ? なんでこっち見て……」



憐夜くんがこっちをチラッと見て意味深に微笑んだ。



「ほら、お2人さんは帰った帰った〜」

「えっ、わっ!」



憐夜くんに背中を押され、士綺くんと部屋を出た。



「じゃあ帰るか」

「うんっ」



士綺くんといる、みんなといる時間が、一番幸せ。

……なんて。何漫画っぽいこと言ってんだろ?


───ピリリリリリリ、ピリリリリリリ。


倉庫を出たところで鳴ったスマホ。

でも、私のじゃない。



「……ッチ」



士綺くんのらしく、士綺くんは画面を見て舌打ちをした。