傷だらけの少女は、初恋相手の幼馴染にドロ甘に溺愛される。

き、気まずい……。

玲音くんって、スマホとかいじってるの見たことない……。

パソコンをいじってるのは見るけど、スマホはほぼ一度もない。



「玲音くんって、どうして鬼龍に入ったの?」



無言に耐えられなくて、そう言葉を発した。

すると、玲音くんは目を見開いた。

えっ、聞いちゃいけないこと、聞いた……?



「ご、ごめん。なんでもない……」

「助けてもらった」

「え?」



突然言われた言葉。

助けられた……?



「士綺に助けられた。厄災から」

「厄災……?」



厄災……災難とか、不運のこと?



「俺は養子だった」

「え?」



養子……?

突然言われた言葉に困惑する。

だってまさか……話してくれるなんて……。



「養子になった家は士綺の家、獅子堂家と仲のいい家だった。親は士綺と同い歳の俺を使って獅子堂家を潰そうとした」

「つ、潰す……!?」