凛が出してくれた美味しすぎるコーヒーを、いつもの5倍くらい時間をかけて飲んだ後。

おもむろに凛が話し始めた。

「……今日はね、大事な話があって、幸人に来てもらったの。」

「ああ。」

それを聴くために来たからな、一応。なんて素晴らしい口実だ。


「あのね、」

「………?」


凛が、スゥっと息を吸った音が僅かに聞こえた。

その、とき。






「———私たち、別れましょう。」