「さーゆーちゃーんっ!」

月曜日。
通学路を歩いていたら後ろから大声で名前を呼ばれて、振り返り終わる前にガシッと腕を掴まれた。

「ひゃあ!?」

「びっくりしすぎー!」

「なんだモネかぁ…びっくりするよ」

「ごめんごめん」

「どうしたの?そんなに急いで」

「親友が歩いてたら飛びついて当たり前でしょ!」

「そうかなぁ?」

「そうなの!もー、サユちゃんももっとモネを求めてよね?」

「あはは。変な言い方ー」

モネは「冷たーい」って頬を膨らませながら私の腕をぶんぶん振った。

私にもモネみたいな可愛さとポテンシャルがあれば悠太にもっと積極的になれるのに。

「それで!?どうだったの?」

「どうって?」

「悠太のことに決まってんじゃん!」

「一緒にパフェ食べたよ」

「もしかしてあのカフェ!?」

「うん」

「いいなー。その後は?」

「悠太のおうちに行っちゃった」

「え…それってまさか…?」

「んー、キス…しちゃった」

「キスぅー!?」

「ちょっ…静かにー!」

モネの口を手の平で塞いで周りを見渡した。
よかった。顔見知りは居ないみたい。