愛してるって言ってくれたカナデくんの苦しそうな声が疑心暗鬼で塗りつぶされていく…。
遠くのほうで足音が聞こえた。
慌てて紙を本棚に戻して、私は服を着た。
「お待たせ…、砂雪?」
「ごめんなさい。夕方から母とごはんの約束してました」
「泊まってけばいいじゃん。父さん達もたぶん帰らないから」
「そんなわけにはいきません。勝手に泊まったなんて理事長に知られたら…」
「平気だって。父さん、お前のことは気に入ってるだろ?」
「だめです。帰ります。お邪魔しました!」
「おいっ、砂雪!」
螺旋階段なんて慣れていないから、駆け下りるリズムを掴めない。
すぐにカナデくんに捕まっちゃったけれど、手を振り解いて、走って豪邸から飛び出した。
この町、来たことが無い。
道が全然分かんない。
とにかく走って走って、大通りまで出て、ようやく駅を見つけた。
スマホにはカナデくんからの着信がたくさん残っている。
遠くのほうで足音が聞こえた。
慌てて紙を本棚に戻して、私は服を着た。
「お待たせ…、砂雪?」
「ごめんなさい。夕方から母とごはんの約束してました」
「泊まってけばいいじゃん。父さん達もたぶん帰らないから」
「そんなわけにはいきません。勝手に泊まったなんて理事長に知られたら…」
「平気だって。父さん、お前のことは気に入ってるだろ?」
「だめです。帰ります。お邪魔しました!」
「おいっ、砂雪!」
螺旋階段なんて慣れていないから、駆け下りるリズムを掴めない。
すぐにカナデくんに捕まっちゃったけれど、手を振り解いて、走って豪邸から飛び出した。
この町、来たことが無い。
道が全然分かんない。
とにかく走って走って、大通りまで出て、ようやく駅を見つけた。
スマホにはカナデくんからの着信がたくさん残っている。



