カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜

「カナデ様………私…」

「俺が誰か知ってる?」

「そんなの当たり前じゃないですか…本郷 カナデ様はこの学園の生徒会長様です」

「そうだよな?」

中村さんがギャルさんの目の前に行って、スマホの画面をスクロールしながら見せた。

「学園全校生徒のデータベースよ。ここにあなたはヒットしない」

「そんな…」

「君が俺の前に現れたのは今年の春、こいつが入学したのと同じ時だ」

先輩が私を振り返って言った。

「入学試験を受けた学生のデータにも、入学者のデータの中にも君は居なかった。当然だ。まだ中学生なんだから」

「いつ気づいたんですか…」

「君が俺の前に現れた日からずっと」

「最初から?なんで?」

「言っただろ。俺は生徒会長だ。データはある程度把握してる。そもそも春に転校生も居なかったのに気づかないとでも思ったか?一年生や二年生ですって嘘つくならまだしも、君は少しでも俺に近づきたくて三年生ですって言ったよね?同じ三年の俺とみなみが気づかないわけないだろ」

「ッ…」

「爪が甘すぎよ、さすがに」

鈴城さんが慰めるみたいにギャルさんの髪を撫でて、私達の隣に戻ってきた。

「なんですぐに言わなかったんですか。泳がせるなんて…そうやってバカにしてたんですか!?」

侵入するまで過激にカナデ様を敬愛してた女子に、どんな言葉をかけるんだろう、また王子様の仮面を貼り付けて微笑むのかなって思っていたら、本郷先輩は言った。