「砂雪、どうした?」
「最低!あんた何したのよ!」
私の叫び声に、また女子達が騒ぎ出す。
本郷先輩がその子達に向かって首を横に振っただけで、女子達は黙った。
「何したって?」
「悠太に何したの!?」
「あー、そのことね。ちょっと来て」
本郷先輩が私の腕を掴んだ。
振り解こうとしても力が強くて解けない。
「やだ!やめて!どこにも行かない、ここでちゃんと話して!」
「こんなとこで話せないだろ」
「カナデくんやめなよ。この子危ないって」
「大丈夫。みんな大丈夫だから。ごめん、通してくれる?」
本郷先輩の言葉でスッと道が開いた。
この人にできないことなんて無い。
他人の人生までも思い通り。
こんな悪魔みたいな奴…!
腕を引っ張れたまま、三階にある空き教室に入った。
先輩が内側から鍵をかけた。
今は別棟に移っているけれど、前は視聴覚室として使われていたらしい。
ドアの隅に寄せられた暗幕を、外から覗けないように引いたら教室は暗くなった。
反対側の窓からの明るさだけがぼんやりと教室の中を照らした。
「砂雪」
先輩が指先に触れてきた。
意味分かんない。
なんでそんな泣きそうな声出すの?
泣きたいのはこっちなのに!
「悠太に何をしたんですか」
「だから言っただろ?」
「私の恋を壊すって?本当に最低ですね。軽蔑します」
「だから聞けって、俺は…」
「聞きたくなんかない!なんでそんなことしたんですか?そんなに私に恨みがあるんですか!?」
「恨み?そんなもんねぇよ」
「だったら先輩は本当に頭がおかしいです。人としておかしいですよ。あなたになんの権利があってそんなことするんですか?世の中の人間が全員自分の思い通りになるなんて思わないでよ!」
「最低!あんた何したのよ!」
私の叫び声に、また女子達が騒ぎ出す。
本郷先輩がその子達に向かって首を横に振っただけで、女子達は黙った。
「何したって?」
「悠太に何したの!?」
「あー、そのことね。ちょっと来て」
本郷先輩が私の腕を掴んだ。
振り解こうとしても力が強くて解けない。
「やだ!やめて!どこにも行かない、ここでちゃんと話して!」
「こんなとこで話せないだろ」
「カナデくんやめなよ。この子危ないって」
「大丈夫。みんな大丈夫だから。ごめん、通してくれる?」
本郷先輩の言葉でスッと道が開いた。
この人にできないことなんて無い。
他人の人生までも思い通り。
こんな悪魔みたいな奴…!
腕を引っ張れたまま、三階にある空き教室に入った。
先輩が内側から鍵をかけた。
今は別棟に移っているけれど、前は視聴覚室として使われていたらしい。
ドアの隅に寄せられた暗幕を、外から覗けないように引いたら教室は暗くなった。
反対側の窓からの明るさだけがぼんやりと教室の中を照らした。
「砂雪」
先輩が指先に触れてきた。
意味分かんない。
なんでそんな泣きそうな声出すの?
泣きたいのはこっちなのに!
「悠太に何をしたんですか」
「だから言っただろ?」
「私の恋を壊すって?本当に最低ですね。軽蔑します」
「だから聞けって、俺は…」
「聞きたくなんかない!なんでそんなことしたんですか?そんなに私に恨みがあるんですか!?」
「恨み?そんなもんねぇよ」
「だったら先輩は本当に頭がおかしいです。人としておかしいですよ。あなたになんの権利があってそんなことするんですか?世の中の人間が全員自分の思い通りになるなんて思わないでよ!」



