それからしばらくあの公園に通ってみたけれど、二人の姿を見ることは二度と無かった。

今も二人だけの世界で、男性はお姉さんに美しい色だけを教えて生きているんだろうか。

人間の正しさなんて今も分からない。

本郷先輩はあれからも相変わらずちょっかいを出してきて、そのたびに私の脳内は混乱したし、先輩が望んでいるものがいつまでも分からないままでいた。

後にあの依頼の日、鈴城さんが委員会や部活動の予算案をまとめなきゃいけないって言っていたことが嘘だって発覚した。

「二人に何か進展があればいいなって思って。ね、ハッセー」

悪びれもなくそう言った鈴城さんの隣で、長谷川さんもニコニコ笑っていた。

長谷川さんも加担していたことに驚いた。

なんでそういうことになってるんだろう?

それにおかしい。
今も本郷先輩と鈴城さんは同じ香りをまとっている。

本郷先輩に詰め寄られるたびに、鈴城さんが私の腕にギュッて抱きつくたびに、同じ香りが私を包む。

分かんないことばっかりだ。
ここは、私の中の生徒会とはまるで違う世界だった。