…もう全部丸聞こえです。なんて心の中でツッコミながらクラスメイトからノートを回収していく。


私が影から“地蔵”というあだ名がつけられていることは知っている。



昔から人と関わることが苦手でいてもいなくても変わらない、無視をされる、なんて扱いにはもう慣れていた。



「あの、ノート…」


「ひっ、地蔵…!じゃなくて、はい…」



加えて空気が薄いことから、話しかけてもこうやって怖がられることが毎回だ。


だからクラスメイトとは必要がある時にしか会話をしないようにしているし、毎日息を殺して生活をしている。



…どうせ私はいらない存在だから。せめて人様の迷惑にだけはならないようにしないと。



「あの、のー…」


「ん」