またもや陽子と直哉の言い争いが始まった時、サザンクロスのチーフマネージャーの富田が紗季に近づいてきた。
声を潜めて紗季に話しかけると、ええ?と紗季が驚いている。
どうしたのかと明日香が見守っていると、何やら富田が紗季を説得した後、渋々紗季が頷いた。
「あー、みんな。俺からもちょっといいか?」
「へ?富田さんまで、どうしたんですか?」
皆はストレッチを止めて富田に注目する。
「あー、うん。実はな、俺達婚姻届を出すことになった」
「…え?」
「ええ?」
「ええー?!」
見事な三段活用で皆は驚きの声を上げる。
「こ、婚姻届って、つまり結婚?!」
「お、俺達?って、まさか…」
「富田さんと、紗季さん?!」
「うそー、いつの間に?」
突然の報告に騒然となる中、だんだん皆の間に笑顔が広がっていく。
「でもとってもお似合い!」
「本当!おめでとうございます。富田さん、紗季さん」
皆が祝福の言葉と共に拍手すると、二人は照れたように笑う。
「ありがとう。それとごめんな。みんなの立場を考えたら、俺達が先にこんなことするのは気が引けるんだけど…」
「なーに言ってるんですか!おめでたい話なんですから、じゃんじゃん結婚しちゃってくださいよ」
「やだ、直哉くん。結婚はじゃんじゃんしないの。一度切りよ」
直哉にそう言ったあみは、改めて富田と紗季にお祝いの言葉をかけた。
「富田さん、紗季さん。おめでとうございます!私もとっても嬉しいです。おノロケ話、ぜひ聞かせてくださいね」
「そうそう!あと、馴れ初めとか」
「おつき合いはいつから?」
「プロポーズの言葉は?」
芸能レポーターのように皆はマイクを向けるフリをする。
「ま、まあ、それはまた今度な。ほら、そろそろ衣装合わせするぞ!」
「はーい」
メンバー達は立ち上がると、二人を取り囲みながらリハーサル室を出る。
(知らなかったなあ、紗季さんと富田さんが。でも本当にお似合い。良かったな)
賑やかに廊下を進む皆を後ろから見守りつつ、明日香も思わずふふっと笑みを洩らす。
(あれ?そう言えば陽子さんは?)
振り返った明日香は、魂が抜けたようにヨロヨロと壁にぶつかりながら歩いてくる陽子にギョッとして駆け寄る。
「陽子さん?大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫よ。ぜーんぜん平気。あはは」
力なく笑いながら、陽子はフラフラとサザンクロスの控え室へと向かって行った。
声を潜めて紗季に話しかけると、ええ?と紗季が驚いている。
どうしたのかと明日香が見守っていると、何やら富田が紗季を説得した後、渋々紗季が頷いた。
「あー、みんな。俺からもちょっといいか?」
「へ?富田さんまで、どうしたんですか?」
皆はストレッチを止めて富田に注目する。
「あー、うん。実はな、俺達婚姻届を出すことになった」
「…え?」
「ええ?」
「ええー?!」
見事な三段活用で皆は驚きの声を上げる。
「こ、婚姻届って、つまり結婚?!」
「お、俺達?って、まさか…」
「富田さんと、紗季さん?!」
「うそー、いつの間に?」
突然の報告に騒然となる中、だんだん皆の間に笑顔が広がっていく。
「でもとってもお似合い!」
「本当!おめでとうございます。富田さん、紗季さん」
皆が祝福の言葉と共に拍手すると、二人は照れたように笑う。
「ありがとう。それとごめんな。みんなの立場を考えたら、俺達が先にこんなことするのは気が引けるんだけど…」
「なーに言ってるんですか!おめでたい話なんですから、じゃんじゃん結婚しちゃってくださいよ」
「やだ、直哉くん。結婚はじゃんじゃんしないの。一度切りよ」
直哉にそう言ったあみは、改めて富田と紗季にお祝いの言葉をかけた。
「富田さん、紗季さん。おめでとうございます!私もとっても嬉しいです。おノロケ話、ぜひ聞かせてくださいね」
「そうそう!あと、馴れ初めとか」
「おつき合いはいつから?」
「プロポーズの言葉は?」
芸能レポーターのように皆はマイクを向けるフリをする。
「ま、まあ、それはまた今度な。ほら、そろそろ衣装合わせするぞ!」
「はーい」
メンバー達は立ち上がると、二人を取り囲みながらリハーサル室を出る。
(知らなかったなあ、紗季さんと富田さんが。でも本当にお似合い。良かったな)
賑やかに廊下を進む皆を後ろから見守りつつ、明日香も思わずふふっと笑みを洩らす。
(あれ?そう言えば陽子さんは?)
振り返った明日香は、魂が抜けたようにヨロヨロと壁にぶつかりながら歩いてくる陽子にギョッとして駆け寄る。
「陽子さん?大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫よ。ぜーんぜん平気。あはは」
力なく笑いながら、陽子はフラフラとサザンクロスの控え室へと向かって行った。