「大樹」
「パパ!」
病室を覗くと、看護師に絵本を読んでもらっていた健悟が嬉しそうに顔を上げた。
「遅くなってごめんな」
「ううん。パパはおしごと、がんばってるもんね。ママといっしょにパパをまつのが、だいきのおしごとなの」
「そうか。ママにそう言われてたんだな」
瞬は優しく健悟の頭をなでる。
「大樹、お医者様が明日退院出来るって。おうちに帰れるぞ」
「ほんと?やったー!ママにあえる!」
両手を上げて喜ぶ健悟に、瞬は目を潤ませる。
どう伝えればいいのだろう。
ママはもう二度と…
胸が張り裂けそうになりながら、瞬は健悟を抱き上げて明るく話す。
「うちに帰ったら何食べたい?何でもいいぞ。アイスか?プリンか?」
「えっとね、オムライス!」
「オムライスな、分かった」
「うん!せかいいちおいしいもん、ママのオムライス」
「大樹…」
堪え切れなくなり、瞬は看護師に健悟を任せて廊下に出る。
肩を震わせながら静かに涙にくれていると、スマートフォンに着信があった。
グッと目元を拭って電話に出る。
「風間です」
「誘拐犯の身元が割れた」
「えっ、すぐに戻ります!」
瞬は顔を上げると病室に戻り、健悟に明るく声をかけてから急いで署に戻った。
「パパ!」
病室を覗くと、看護師に絵本を読んでもらっていた健悟が嬉しそうに顔を上げた。
「遅くなってごめんな」
「ううん。パパはおしごと、がんばってるもんね。ママといっしょにパパをまつのが、だいきのおしごとなの」
「そうか。ママにそう言われてたんだな」
瞬は優しく健悟の頭をなでる。
「大樹、お医者様が明日退院出来るって。おうちに帰れるぞ」
「ほんと?やったー!ママにあえる!」
両手を上げて喜ぶ健悟に、瞬は目を潤ませる。
どう伝えればいいのだろう。
ママはもう二度と…
胸が張り裂けそうになりながら、瞬は健悟を抱き上げて明るく話す。
「うちに帰ったら何食べたい?何でもいいぞ。アイスか?プリンか?」
「えっとね、オムライス!」
「オムライスな、分かった」
「うん!せかいいちおいしいもん、ママのオムライス」
「大樹…」
堪え切れなくなり、瞬は看護師に健悟を任せて廊下に出る。
肩を震わせながら静かに涙にくれていると、スマートフォンに着信があった。
グッと目元を拭って電話に出る。
「風間です」
「誘拐犯の身元が割れた」
「えっ、すぐに戻ります!」
瞬は顔を上げると病室に戻り、健悟に明るく声をかけてから急いで署に戻った。



