ひと息つく暇もなく、明日香は撮影再開に向けてたくさんの衣装を準備する。

ここからは登場人物も増える為、仕切り直して俳優陣の顔合わせがあった。

「主人公、『風間 大輔』役の柏木 瞬さんです」

助監督に紹介されて瞬が挨拶する。

「柏木です。皆さんのお力をお借りしながら精一杯努めます。どうぞよろしくお願い致します」

大きな拍手が起こり、明日香もありったけのエールを込めて拍手した。

「風間の同期で親友の『北川 勇作』役、須藤 薫さんです」

スラリと背の高い、笑顔の爽やかな男性が1歩前に出てお辞儀する。

「須藤です。演劇の世界に身を置いておりまして、映画はこれが初めてとなります。右も左も分かりませんが、皆さんに食らいついていきます。よろしくお願いします!」

勢い良く頭を下げる須藤に、またもや大きな拍手が起こる。

「ここからこの作品は、この二人がメインで話が進んでいく。周りを固めるメンバーもグイグイ絡みながら、チームワークで頑張っていこう」

監督の言葉に、俳優陣は「はい!」と気合いのこもった返事をした。