映画の撮影は順調に進み、幸せな家族のシーンは終了。

次からはいよいよ本格的に事件が動き出すことになる。

スタッフの準備なども兼ねて、撮影期間が1週間空き、その間に明日香は警察官としての瞬の衣装を準備し、衣装合わせをした。

やはりトレーニングの成果で瞬の体格は一回り大きくなっており、明日香は初めて見る瞬の逞しい姿にドキドキしながら衣装を選んでいった。

合間に少し時間が出来て、久しぶりにコットンキャンディの現場に顔を出す。

「明日香ー、久しぶり!」
「みんな、元気だった?」
「元気元気ー!明日香はどう?映画のお仕事、順調?」
「うん。毎日忙しいけど、勉強になることばかりで充実してる」

3人との会話は良い気分転換になる。

新曲の衣装デザインも改めて相談した。

「じゃあ、ひとまずこのデザインで作ってみるね。パタンナーの葵さんにお願いしておく。試作が出来上がったら、またそこから考えましょ」
「分かった!楽しみにしてるね。撮影、まだまだこれからだもんね。身体に気をつけて頑張って!」
「ありがとう!みんなもね」

そして瞬もまた、久しぶりにサザンクロスとして歌番組に出演した。

「おー、瞬!明日香ちゃん!元気だったかー?」
「寂しかったぞー、二人に会えなくて」

輪になって再会を喜んでいると、背後からいつもの如く陽子の低い声がする。

「あら、私とは会えなくても寂しくなかったのね」
「陽子さん!違いますって!」

直哉と陽子のやり取りに、皆は思わず笑い出す。

瞬もリラックスして久しぶりのメンバーとの会話を楽しんでおり、その姿に明日香は嬉しくなった。