「みんな、今少し時間ある?」
「はい。大丈夫です」
「そしたらこれからサザンクロスの控え室に行って欲しいの。富田さんから話があるから」

え?と皆は顔を見合わせる。

「富田さんから?なんのお話だろう」
「あ!あれじゃない?結婚の次は、ほら」
「もしかして、オメデタ?」

キャー!紗季さーん!とはしゃいだ声を上げる3人に、優子は少し微笑みながら首を振る。

「残念だけど、あまり嬉しい話題じゃないの」

え…と、途端に3人はトーンダウンする。

「あ、でも、そんなに心配しないで。とにかく行きましょう。明日香ちゃんも来てくれる?」
「はい」

ますます分からないとばかりに首をひねってから、3人は明日香と一緒に優子について廊下を進む。

サザンクロス様、とプレートに書かれた部屋を優子がノックすると、どうぞと富田の声がした。

失礼します、と皆で部屋に入ると、サザンクロスのメンバーが驚いたように顔を上げる。

「どうしたの?みんな揃って」

直哉の問いに、富田が答える。

「俺が呼んだんだ。みんなに話があって」
「ええ?!話って、俺達とコットンの両方に?」
「ああ。とにかく座って」

メンバーがソファに詰めて座り、明日香は壁際に陽子と並んで立つ。

明日香が目で問いかけると、陽子も「なんの話か分からない」とばかりに首を振った。