「いやーん、紗季さんったらいつの間に?」
「どこでデートしてたんですか?」
「お互い、なんて呼び合ってるの?」

コットンキャンディの控え室に戻り、クリスマス衣装に袖を通しながらも、3人は紗季を質問攻めにする。

「ごめんね、いきなりこんな話して。きちんと時期を見てみんなに報告するつもりだったのに、彼ったらちょうどいいから今言おうって…」
「キャー!彼?!」

3人は頬に両手を当てて身悶える。

「やだ、どうしよう。私もう富田さんのこと、真顔で見られない」
「私もー!絶対交互に富田さんと紗季さんを見ちゃう」

りなとふうかが真剣にそう言うと、あみは夢見る少女のような表情でうっとりする。

「妄想膨らんじゃうわよねえ。紗季、お前が好きだ!私もよ、あなた。なーんて!」

キャーキャー盛り上がる3人に明日香と紗季が苦笑いしていると、ガチャッとドアが開いてマネージャーの優子が入ってきた。

「何を騒いでるの?廊下まで声が響いてるわよ」
「あ、優子さん!聞きました?紗季さんと富田さんの結婚!」
「…は?け、けっ、こん?」

そう言った切り呆然と立ち尽くす優子に、あら?陽子さんと同じだと明日香が思っていると、紗季が「ほら、衣装合わせ進めるわよ」と仕切り直した。