家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

「こ、こじきは捕まえるだけでしょう? なんのためのナイフなの?」
「こじきは生きてりゃいいって話だ。捕まえるときに逃げられないように足の健を切ってやるんだ」

マルクの言葉にソフィアは思わず痛い顔をした。
自分の健が切られたことを想像して、本当に痛みが走ったのだ。

「そ、そんな物騒なことをしないと捕まえられないの?」

「行ってみないことにはわからねぇな。ただ、こじきってぇのはすばしっこいもんだろ。人から逃げるのは得意なはずだ」

マルクの言うことはあたっていた。
ついさっきソフィアが見た青年もすばしっこくひと目を避けて走っていた。

もしかしたら、街の人達もマルクと同じような考え方をしていて、武器を手にしているかもしれない。