家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

☆☆☆

「もう本当に素敵なパーティーだったのよ!」

イザベラが久しぶりに小部屋の前にやってきたかと思うと、さっきからずっとマシンガンのように自慢話しをしている。

今日のイザベラはブルーのドレスを見のまとい、まるで本物のお姫様のように見える。
この格好でパーティに参加すれば、さぞ沢山の男たちから声をかけられたことだろう。

イザベラの高揚して赤く染まったままの頬を見ればそれも一目瞭然だった。
「男の人はみんなかっこよくて、ダンスも上手だったの。きっとこの日のために練習してきたのね」

そういうイザベラはまるで自分がお姫様にでもなったようにうっとりとした瞳をしている。
「どうせならあなたも来たらよかったのに」

「私も行ってよかったの?」
もしそうならもっと早く伝えてくれればよかったのに!

そう思ったのもつかの間、イザベラの大きな笑い声が響き渡った。