家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

「門限があるの。守らないと、ひどく怒られちゃう」
ソフィアの格好を見た青年はその言葉を信じたようだ。

「それなら、せめて名前だけでも」
そう声をかける青年の声は、走り去るソフィアにはもう届かなかったのだった。