家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

顔を真っ赤に染めてしどろもどろに言うソフィアの脳裏にクリストフと過ごした数日間が蘇ってきた。
あの小部屋の中で、一番楽しい時間だった。

パンを二人で分け合ったり、自分の力について説明したり、マルクを起こさないように凍えて離していた日々。
たった数日間だけだったけれど、それがソフィアの心の支えになったことは紛れもない事実だった。

「私は、ずっとあの小部屋で生きてきました。あの空間しか知らないといっても過言じゃなかった。でも……あなたを助けることができた。こんな自分にも、こんな風に行動できるんだって、わかることがたくさんあった。それは、全部あなたが教えてくれたことでした」