家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

ソフィアの顎を指先で持ち上げると、至近距離で見つめ合う形になった。
ソフィアの心臓がドクンッと高なり、頬がカッと熱を持つ。

「君に、ひとめぼれをしたからだ」
「そ、そんなの……」

嘘です。
と言おうとしたけれど、強い眼差しによって言葉を遮られてしまった。

「確かに君はあの時ひどい恰好をしていた。だけどすくなんて関係ないと思うくらい、君は美しかったんだ」
美しい?

その言葉はイザベラのような女性に掛ける言葉だと思っていた。
まさか、自分にその言葉がかけられる日がくるなんて……。

ソフィアは視線を泳がせる。
「美しさは見た目だけの問題じゃないってことだよ」