ロープはその表紙に首から外れて、ソフィアの頭に被せられていた袋も吹き飛んでいた。
痛みと驚きに目を開けるとそこには信じられない光景が広がっていた。

馬だ。
家の中に何頭もの馬がいて、その上に兵士たちが乗っている。

手には武器を持ち、座り込んでいるマルクとパパ、そしてイザベラへ向けられていたのだ。
これは一体、どういうこと?

呆然としているソフィアの目の前に誰かが移動してきた。
手足を拘束されているソフィアは目だけを動かして相手を確認する。

そこにいたのは……。
王子様?

ソフィアは心の中で質問する。
すると彼にはなぜか伝わったようでクスッと笑うと「そうだよ」と、頷いたのだった。