家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

あとはマルクがソフィアの体を抱えあげ、パパがロープをソフィアの首に通せばすべてが終わる。
死にたくない!!

マルクの太い両腕がソフィアの細い腰を掴み、持ち上げる。
ソフィアは必死に抵抗して足をばたつかせて、何度も何度もマルクを蹴った。

「おい、じっとしてろ!」
腹部を蹴られたマルクが軽くうめき声をあげて一旦ソフィアを桶の中に下ろした。

その瞬間に逃げ出そうとしたけれど、袋で視界を遮られていてうまくいかなかった。
すぐにマルクに抑え込まれてしまう。

「両足も拘束すればいいのよ」
イザベラが信じられない助言をした。

「くそっ! 手間かけさせやがって」
マルクがすぐ近くで悪態つきながらも、イアザベラの言う通りアオフィアの両足をロープで固定しようとする。