家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

☆☆☆

処刑の方法は首吊だった。

他にも色々と方法はあったけれど、天井からロープを垂らしてそこに首を入れればあとはほっといても死んでしまうから、それが選ばれたらしい。

イザベラはそんな知りたくもない情報ばかりをソフィアに教えてくれた。
小部屋の汚れが最小限で済むようにロープの下には桶が置かれた。

いつもソフィアの体を吹くための水が入れられていた桶だ。
ソフィアはまず両手を背中で拘束され、口枷をつけられた。

昼食の中に睡眠を促す薬が入っていたようで、少量で食べてしまったソフィアの意識は朦朧とした状態だった。
されるがままの人形になったソフィアを拘束するのは、とても簡単だったはずだ。

「ほら、中に入れ」