家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

ここで力を使って少しでもイザベラに復讐することはできる。
だけどその後は? 

再びイザベラを攻撃したと判断されて、もっともっと自分の立場を弱くするだけだ。
これはきっとイザベラの罠。

ここで力を使うわけにはいかない。
ソフィアは奥歯を噛み締めてイザベラを睨みつけた。

「ふぅん? 少しは学習したみたいね? あんたって子供の頃からバカ正直で、全然学習できないんだと思ってた」
「……なにもかも、お姉さんの仕組んだことだったって、ちゃんとわかってた。でも、誰も信じてくれなかったから……!」

悔しさがこみ上げてきて歯がきしむ。
「そりゃそうよね。だって私は普通であんたは変なんだもの。変人の言うことなんて誰も信じないわ」